99% Homes
昨日、ドリームホーム99%という映画を見ました。
簡単に言うと、アメリカのリーマンショック後に、不動産を手放さなければならない人と、それを売り買いして儲けるブローカーの話です。
E・スティグリッツが『世界の99%を貧困にする経済』の中で書いていた「世界中の富の4分の1をたった1%の最富裕層が所有しており、残り99%は貧困である」というのを文字ってもいます。
この格差に対する批判を映画でまとめた作品でした。
芸術面でも、このような姿勢は多く、日本で僕が一番印象にあるのは、菅原道真ですね。
彼はご存じのように、右大臣まで上り詰めたのに、いきなり九州の大宰府に左遷。その後、彼は都会と地方との格差を歌にして人生をまとめています。
「寒早十首」というのが一番有名です。
地方の悲惨な民衆生活10態を描いた平安朝における貧窮問答歌です。
一つ引用します。
何人寒気早 何いづれの人にか 寒気早き
寒早走還人 寒は早し 走還そうくわんの人
案戸無新口 戸へを案ずれど 新口しんこう無く
尋名占旧身 名を尋ねて 旧身を占ふ
地毛郷土瘠 地毛ちぼう 郷土なれども瘠やせ
天骨去来貧 天骨てんこつ 去来きよらいせば貧ひんす
不以慈悲繁 慈悲を以もつて繋つながざれば
浮逃定可頻 浮逃ふうたう 定めて頻しきりなるべし
格差とは恐ろしいものです。競争原理が働かなくなるという批判はありますが、イスラム国や中東政治を鑑みても、格差とどう向き合うか、というのは我々の世代で解決しなければならない問題だと思います。