漱石をどんな時に読みますか。
漱石をふと読みたくなるタイミングが、漱石ファンなら誰しもあるだろう。
漱石を好きな人はレベル1~レベル1000ぐらいまでいるので、大声で「大好きです」とは言いにくい。
僕が漱石を読むタイミングは、はっきり言えば地方に行った時、人のことを好きになりそうな時の二つだ。
地方に行った時は、言わずもがな三四郎である。電車のシーンを何ども読み返す。
「この爺さんは前の前の駅から乗った田舎者である」とか「ストレイシープね」と言われると、自分が都会で、いろんな人との関係があるということを認識させられる。
次に人のことを好きになりそうになった時。それは「門」と「こころ」あたりを読む。
「恋愛は罪悪なものでやんす、よごさんすか、神聖なものでもある」という先生の言葉が痛いほど失恋後にはよくわかる。
当たり前だが、本気で人のことを好きになるより、セックスの方が圧倒的に楽。
自由になった時代、自分も誰を好きになろうが自由、しかし相手も誰を好きになろうが自由。自分は孤独なのではないか?
孤独を考えさせられる。