艶っぽい子供を思い出すような詩

梁塵秘抄。りょうじんひしょう、と読みますが、後白河法皇が編集している今様の歌謡の本です。

 

難しいことはなく、この歌が最も有名でしょう。

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。

 

意味は、人生は遊ぶために、戯れるためにある。子供の声をきけばそれを思い出すだろう。そうして人生に感動するだろう (解釈は色々ですが、僕の解釈です)

 

さてなぜこのような歌が有名になったか。

「なんのために生まれてきたの?」

と現代の人に聞いたら

「自分はこういう仕事に就きたい」

「自分は、ケーキ屋さんになりたい」

「自分は留学がしたい」

 

しかし平安時代を振り返ると自由というものは、一ミリもなかった。

全ては貧困や政治制度、それらを踏まえて今より自由はなかった。

しかし子供の頃は、何がしたい?

と考えるときに「遊びたい」それだけだった。

「夢や希望」などというのは、成長したときについてくる邪悪な思い込みであり、子供の頃のように、毎日楽しく遊ぶために生まれてきたように、そんな時代に戻りたい。

僕はそんな解釈をしています。

 

一見、遊んでいるかのような歌ですが、大人の奥深い心がつまった面白い歌集ですので、ぜひ。