女性が目指す能

能。これは男性の芸術です。女性の出番はないと数百年前から思われていました。そして能を実際に見ると、僕も能に女性の出番はないと思います。

まず能の生み出す繊細な動きと燃えさかる表情。女が舞うと、女っぽくなってしまい、荘厳さが台無しになってしまう。

 

さて今日は能の女性の話です。とても面白い芸術活動をされている方を発見しました。青木涼子という方です。

 

青木涼子 能 現代音楽

 

詳しくはこちらをご覧になってください。

とても面白く、新しい能と私は感じました。ぜひ素晴らしい作品を生み出して欲しいです。

艶っぽい子供を思い出すような詩

梁塵秘抄。りょうじんひしょう、と読みますが、後白河法皇が編集している今様の歌謡の本です。

 

難しいことはなく、この歌が最も有名でしょう。

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。

 

意味は、人生は遊ぶために、戯れるためにある。子供の声をきけばそれを思い出すだろう。そうして人生に感動するだろう (解釈は色々ですが、僕の解釈です)

 

さてなぜこのような歌が有名になったか。

「なんのために生まれてきたの?」

と現代の人に聞いたら

「自分はこういう仕事に就きたい」

「自分は、ケーキ屋さんになりたい」

「自分は留学がしたい」

 

しかし平安時代を振り返ると自由というものは、一ミリもなかった。

全ては貧困や政治制度、それらを踏まえて今より自由はなかった。

しかし子供の頃は、何がしたい?

と考えるときに「遊びたい」それだけだった。

「夢や希望」などというのは、成長したときについてくる邪悪な思い込みであり、子供の頃のように、毎日楽しく遊ぶために生まれてきたように、そんな時代に戻りたい。

僕はそんな解釈をしています。

 

一見、遊んでいるかのような歌ですが、大人の奥深い心がつまった面白い歌集ですので、ぜひ。

科学未来館 ~ VR 体験記!

科学未来館に行ってきました。

そこでGame ON展というものがあり、歴代のゲームを紹介していました。

 

そこで最先端のゲーム機、Virtual Realityを体験できました。

確かにすごいです。360度体験できて、あたかもそこにいるような錯覚を受けました。

人間の感覚の大部分をコントロールされたようで、不思議な感じを受けました。

 

VRを体験したければ、朝早くいってください!!!!

キャンセル待ちの列もありますが、やりたいVRがある場合には、おはやめに!
日曜日の12時に言っても、キャンセル待ちで30分くらい待てば見れましたが。

 

東京に久々に戻ると

訳あって一ヶ月東京から離れていました。

久々の東京。人口密度がやはり驚きますね。どうしてこんなに人がいるんだ。という感覚に襲われます。

 

日本の文化。よくある話ですが、原宿は立派な日本の文化ですが、これをクールと感じるかどうかは、人により違いがあるかもしれません。

ただ外国人の多くは、秋葉原などを踏まえ

「日本の若者は最先端のガジェットを駆使し、ファッションもクールだ」という印象を持っている人が多いと思うのですが、この「クールさ」は、日本文化の侘び寂び、茶道などに通ずる氣がしません?

 

例えば、茶道。これ最高にクールじゃないですか?

人を招く、おもてなしする、めっちゃかっこいい茶碗がある。その場に会う花を添える。

洗練されている。

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これとかめっちゃ洗練されてませんか?

西洋画の写実的なもの、ロマン的なもの、そういうものより、こちらの方がクールと呼ぶにふさわしい気がしますね。

 

 

漱石をどんな時に読みますか。

漱石をふと読みたくなるタイミングが、漱石ファンなら誰しもあるだろう。

漱石を好きな人はレベル1~レベル1000ぐらいまでいるので、大声で「大好きです」とは言いにくい。

 

僕が漱石を読むタイミングは、はっきり言えば地方に行った時、人のことを好きになりそうな時の二つだ。

地方に行った時は、言わずもがな三四郎である。電車のシーンを何ども読み返す。

「この爺さんは前の前の駅から乗った田舎者である」とか「ストレイシープね」と言われると、自分が都会で、いろんな人との関係があるということを認識させられる。

 

次に人のことを好きになりそうになった時。それは「門」と「こころ」あたりを読む。

「恋愛は罪悪なものでやんす、よごさんすか、神聖なものでもある」という先生の言葉が痛いほど失恋後にはよくわかる。

当たり前だが、本気で人のことを好きになるより、セックスの方が圧倒的に楽。

自由になった時代、自分も誰を好きになろうが自由、しかし相手も誰を好きになろうが自由。自分は孤独なのではないか?

孤独を考えさせられる。

 

 

一級品とは何か

道に落ちている石をルーブル美術館に飾れば

「これが古代エジプトで占いに使われていた石かもしれない」と思う人もいるだろう。

更に上のような説明を石の横に於けば99%の人が信じるだろう。

 

僕が思う一級品というのは、五感すべてが興奮する作品だと思う。

バカかと思うかもしれないが、芭蕉の句を読むと、僕は四季の風を感じる。

またミケランジェロの作品を見れば、システィーナ礼拝堂の匂いを感じる。

感受性というのは、僕の中でそういうイメージだ。

 

伊藤若冲が今年生誕300年。僕は彼の作品の中で、最も感銘を受けたのは、昨年京都まで足を運んだ天井画。

この記事を参考にしてほしい。

鮮やか若冲の天井画 京の秘宝、今秋21カ所で特別公開:朝日新聞デジタル

 

見上げる姿勢で見るからこそ見える景色というものがある気がする。

 

三保の松原で感じるカツオと天女

三保の松原に行きました。こんな感じです。

 

万葉集に歌われ、歌川広重にも描かれる絶景の地です。

富士山の手前に松が並んでいる姿が美しいようですが、この時期は花粉がorz(たぶん?)

 

羽衣伝説としても名高い場所で、いたるところに天女がいました。

この神話は、世界各地でも見られるようで、人間の思考というのは大体同じなんだなぁ、と思わせます。

 

 

簡単に言うと、異類婚姻譚(いるいこんいんたん)と言うようで、人間と違った存在と人間とが交わるお話を総称するようです。

 

ちなみにあのカツオも交わっています。正直、羽衣伝説より、

サザエさん「羽衣伝説 カツオ天女に会う」という回が一番面白いです。

ネットに落ちてたので、これ見て笑。

www.dailym

 

あとは能か。能は神話は題材になりやすいので、羽衣伝説も当然、能の中では人気な演目です。まぁ誰も死なないので、純粋に天女の美しさ、不思議さを表現しようとする所が良いのかもしれません。話が難しくないですしな。

天女の舞の最後の部分の動画なので、ちょいと覗いてみると面白いかもです。

www.youtube.com